0801 意志のない詩

ど真ん中に触れようか
人はなんで天を仰げなくなるのか
押し入れの奥母の書いた詩集見つけて震えた夜
今は風景画しか描かない母
大好きな人に振られた母

ピエロは滲んだ世界を見たという
だからそんなに濃いアイシャドウなの?
目の周りが青いの?

海を超えてはるかかなた遠くの街へ
風が運んでいってくれるだろう歓びのうた
犬は吠えて人は嘆いて
持ち主のない浮き輪がぷかぷか彷徨っている

キラキラのグリッター
星の多い夜冷たい空気が頬を撫でて君のことを想った
なになに座
あれはなになに座
空のかなたへ届けはじまりのうた
夢に出てきた父に怒っていた私
父の手を引いて走っていた私

東京ドームのそばに住むアイドルの家の窓には衣装が干されていた

塩けが足りないスイカと
車に潰された未熟な実
愛と権力の両立

コンドーム背に腹はかえられぬ
星々のうた、より広がりて
その星の近くで揺蕩うだろう
わたしの光

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